黒い奴の黒幕

1億4000万年前の昔からいるゴキブリ。

実はゴキブリは、体内に住みついている細菌、Blattabacterium(ブラッタバクテリウム)を利用して生きています。


ブラッタバクテリウムはゴキブリの体の老廃物を、ゴキブリが生きていくのに必要な分子に変換しています。細菌たちのおかげで、ゴキブリは排尿する必要さえありません。

ブラッタバクテリウムは、すべての必須アミノ酸、さまざまなビタミン類、およびその他の必要な化合物を、限られた種類の代謝基質から作り出すことができるそうです。


また、ゴキブリは余った窒素を体内に貯蔵することも知られています。窒素はタンパク質、アミノ酸、およびDNAを作るのに必要な、生命に欠かせない元素の1つだが、ゴキブリはこれを尿酸の形で小分けにして体内に蓄えています。


ブラッタバクテリウムは、尿酸の構成要素である尿素とアンモニアの分解酵素をコードする遺伝子を有しています。さらに、そのようにして生成された分子を使ってアミノ酸を作ったり、細胞壁や細胞膜を修復したりといった代謝の働きを菌に行なわせる遺伝子も見つかりました。これによって、ゴキブリは窒素の乏しい栄養環境でも生きのびることが可能となったそうです。


ヒトやその他の生物では、有害な尿酸を水で薄め、尿として体外に排泄していますが、ゴキブリはブラッタバクテリウムのシステムにより排尿の必要がありません。このようにゴキブリはその進化の結果、他の生物のように自分でアミノ酸を作る能力を失ってしまい、このバクテリアなしでは生存ができず、依存している状態なのです。

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